2019年2月9日  冬の里山探検隊

今日はタケノコ掘りをした竹林の奥へ探検にいくぞ!

<子供たちが元気に集まってくる>
・子供たちの体調、服装、持ち物などを総点検。今回はゆめたね1年間の集大成、いよいよ夕日寺の奥地の探検だ。
まず高学年チ-ムが出発してゆく。背負子にザイル替りのトラロ-プなどを装備している。
低学年チ-ムもいつものもたつきも少なくなく、随分成長した様子が伺える。全員緊張感をもってまずはコナラの広場を目指す。昨晩はけっこう冷え込んだようで、木々の小枝には小さなツララも見られる。足元の落ち葉は霜でぶかぶか。

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<全員コナラの広場に到着>
・子供たち、ここまではおちゃのこでスタッフもたじたじ。ベンチで一服するも余裕充分。フィ-ルドの状況も良好だ。
ここは、自然園の絶好のキーポイントでちょっとした広場となっている。標高は140Mライン。
付近にあまり育ちの良くない杉の集団が見られる。思ったほど雄花の成長は良くない。場所によってバラツキがあるようだ。ちなみに今年の花粉飛散量は平年値の2倍という報道もある。昨年の猛暑の影響かもしれない。

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<ゆめたね竹林に到着>
ここは東長江町い部、永山さんの林分である。ご好意で子供たちの活動にご協力戴いている。春にはここらで一番良いタケノコが採れる。遊歩道を挟んで反対側が自然園地で、トンボ池上部の稜線にあたる。三王坂道が東西に繋がる。
一帯(特に隣地)の孟宗の席巻は凄まじく辺りを威圧していく。縦横無尽に倒竹があり、生竹の密度もはんぱではない。
森林環境税活用で汗を流したおかげで、「ゆめたね」竹林だけは何とかその機能を維持している。
子供たちは、普段のチ-ムワ-クの大切さを自覚し、谷底目指して探検を開始。未知の世界への興味と期待がにじむ。

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<谷底に到達>
谷底へは、暖急の連続する孟宗の竹林が展開する。一段目の暖斜面には丸太の階段が数箇所取り付けられている。ここはルンルンだが、その先はかなり急でる。周囲の状況に体がすくむ。10Mのトラロ-プが2本掛かり、倒竹が頭上に被さる。ルートを逸れないようスタッフが誘導する。躊躇していた子供たちも真剣だ。づるづると足を取られ、体をすくわれたりしながらも必死にロ-プにしがみつく。声を掛合い、頑張ろうに勇気付けられ脱落者は一人もいない。ようやく底が見えてきた。対岸に鬱蒼とした暗い老齢森林(もり)が迫る。小さな水流があり貴重な水源だ。谷は柳橋川の支源流域でかなり深い。2~3Mの最後の切れ込みにロープを取付け、全員が谷底に到達した。やったぞ・・・

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<永山じいちゃんからの話>
ここは金腐川右岸北西側の稜線上にあり、御所・東長江・夕日寺の村々の人たちにとっても重要な往来であった。物流や農用、生活道路としてもその存在意義は計り知れない。
現在「さくらの広場」への分岐付近にかけて、かなり密集した杉の林地がある。ここは柳橋川の支谷(支流)の谷頭(やず)に当たる。「ゆめたね」探検コ-スの谷水の正体は、ここからの一滴なのだ。ちなみにここは植林して60~70年は経ており、一帯で耕作をあきらめ始めた時期にほぼ重なる。そして一部地内では孟宗の移植も進んだ(じいちゃんの隣の畑もそうであった)。タケノコの収穫が主目的で1965年頃より孟宗林が拡大、公社による拡大造林も進んだ。じいちゃんはこの地で最後まで耕作を諦めなかった一人であろう。
特に夕日寺では、水田に適した平地が少なく、地形・日照・水に恵まれないハンデもある。村の向こうのとんでもない所も開拓し耕作に励んだ。ゆめたねでは春にはタケノコ採りを楽しみ、冬には奥地の探検にチャレンジしている。
50年前にタイムスリップすれば、そこにはサツマイモなどの畑地が広がり、斜面を降りると小さな水田が5~6枚連続して繋がっていた風景がある。せせらぎとなり谷をなし、落差3Mの小滝となって落流する。左岸小上りにある手掘りの洞窟(横穴)で、雨風を凌いだ経験もじいちゃんは厚く語ってくれた。

<何がどうなっている>
ここが畑でここが田んぼだ。子供たちは納得しただろうか。いやいや大人のスタッフでも想像しがたい状況なのだ。人のくらしとはかけ離れた別世界が広がる。水田跡はぬかるみ、倒木竹や一部の崩壊が行く手を阻む。かつての野道は使えず、浅い水流の谷川を降下する。先頭集団の苦闘により開けたル-トを低学年チ-ムも必死でついてゆく。ケモノ道やイノシシの掘り返した穴に体をすくわれる危険も出てきた。谷は狭まり、行く手には右岸より大きな倒木。周りは薄暗く、きしょく悪くなってきた。子供たちにはまだ余裕もあるが退却を決断。帰路の登り返しは体力勝負となる。
一人のリイタイア-もなく「夕日寺奥地の探検」に挑戦し、里山の現状を学習した。貴重な体験となった事と思う。
:帰路、チームはそれぞれのル-トを辿り、早春の里山を満喫した。高学年チ-ムは御所の三角点まで行ってきたという。

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:豚汁・ナメコ汁の美味しい昼食が待っていた。おやつにド-ナツ、暖かいココア。

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<オリジナルスプ-ンづくり> PM 桜の小枝お使い、持ち手部分を加工。子供たちの個性がにじみ出る。バーニングペンでネーミング。どれ一つ同じものはない。ナイフの使い方も随分上達した。子供たちの集中力はすごい。

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(文:あっきー 写真:スタッフ一同)

2019年2月9日

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